INTERVIEW

太古から育まれてきた、園原の自然

東山道・園原ビジターセンターはゝき木館

北林 夏布さん

園原の里の案内や園原に関連した展示を行うミニ資料館「はゝき木館」。登山客が立ち寄ることも多く、東山道や神坂峠の入り口になっています。同館の北林さんに、園原の自然について聞きました。

縄文・弥生時代の出土品も

園原は、古代東山道が制定される奈良時代以前、縄文~弥生時代から、都と東国をつなぐ主要道として多くの人や馬が行き来していました。日本書紀に「ヤマトタケルの神坂峠越え」の記述があるほか、旅の安全を祈願した祭祀遺跡が5世紀頃のものを中心に出土しています。

百名山恵那山への登山口

また園原は、日本百名山の1座、恵那山への登山口でもあり、毎年、全国から登山者が訪れます。阿智村では「阿智7サミット」として村内の代表的な7つの山を紹介していますが、恵那山は断トツの人気です。ほかには、360度の壮大なパノラマが楽しめ、百名山のうち23座を一望できる富士見台高原も人気がありますね。

知られざる身近な存在、木賊

「木賊【とくさ】」も園原を代表する植物です。園原は木賊が自生する南限の地で、奈良時代頃から園原の木賊は東山道を通って、都へ運ばれていました。木賊は研磨剤や生薬に使われるなど、都の人々の生活に根づいた存在でした。園原の木賊は質が良いと評判だったと言います。謡曲「木賊」や祇園祭の山鉾「木賊山」、江戸時代に用いられた「木賊兎」の図柄や焼き物に描かれる「十草模様」など。今も私たちの生活に密接に結びついています。

東山道・園原ビジターセンター はゝき木館
阿智村園原智里3604-1
0265-44-2011
営業時間 9時30分~16時30分
定休日 火曜日、年末年始